ミツバチの恩恵 ミツロウについて
- By: ミツバチの生態研究室
- カテゴリー: ミツバチの恩恵
- Tags: ミツバチ, ミツロウ, 成分
ミツロウを使ったクレヨンやキャンドルなどをよく見かけますね。天然素材で子供にも安心ということで人気があります。
けれどもミツロウってミツバチが関係していることはわかるけれど、ちゃんとしたことはよく知らない、という人が殆どなのではないでしょうか。
今回は「ミツバチの恩恵ミツロウについて」まとめてみました。今までミツロウについて気になっていた方、必見です!
目次一覧
ミツロウはミツバチからどうやってつくられているの?
ミツロウって何?
ミツロウ(蜜蝋)とは、ミツバチの体から作られた天然のロウです。ミツバチはそのロウを使って巣を作ります。
また巣の素材であるワックスは、巣を形作るためだけでなく、ワックスの振動を介して仲間同士のコミュニケーションを図るための役割も果たしています。
ミツバチはどうやってミツロウ作っているの?
ミツバチの群れが新しく巣を作る場所に到着すると、働き蜂は直ちに巣作りを始めます。働き蜂は巣を作るための材料を自分の体で作り出します。
腹部にある8つの分泌腺からうろこ状のロウを分泌し、器用に足を使って口に運び、大あごを使ってあごからの分泌物と混ぜながらこねます。そしてあのお馴染みの六角形のハチの巣を作るのです。
ちなみに1kgのワックスで22kgのハチミツの重さを保持することができます。
ミツロウって何に使われているの?
ミツロウの歴史について
ミツロウが人類に使用されていた歴史として、蝋燭として使われてきたという認識がある人が多いかもしれませんが、古代エジプト王朝時代の紀元前4200年頃に、ミイラを保存するために使われていたという記録が残っています。
また紀元前1000年頃には亜麻糸をより合わせたものにミツロウを加えたものが、灯明として使用されていました。
さらに5〜15世紀ころにはミツロウを通貨として使用していた時期もありました。それくらいミツロウは当時から重宝がられていたことがうかがえます。
今はどんなふうに使われているの?
養蜂業が発達してからはミツロウが安定して供給されるようになり、多くの工業製品に使用されるようになりました。
・生活雑貨…ワックス、キャンドル
・化粧品…リップクリーム、クリーム、乳液
・医薬品…ソフトカプセル、塗り薬
・文房具…クレヨン、鉛筆
そのほかにも食品製造の型や、工業用の油剤としても使用されます。
ミツロウの成分って?
ミツロウの成分って?
ミツロウはミツバチが作り出すワックスです。その約70%を占めるのが、ワックスエステルです。このワックスエステルは人間の皮脂の中にも含まれます。そのため人間の肌にもなじみやすく、保湿力に優れているのです。
そのほかにもアルコール、炭化水素、脂肪酸などが含まれます。
ミツロウってどうやって採取するの?
巣からハチミツを採取した後に残った巣に熱、もしくは圧力を加えるか、お湯で煮溶かすことによって取り出します。
もともとのミツロウは透明ですが、花粉やローヤルゼリーの付着などにより使用経過するうちに淡黄色〜茶色まで変化することもあります。ミツロウの色や香りは、ミツバチの種類や蜜源によって巣ごとに変わります。
ミツロウには精製されたものと精製されていないものがあります。精製されたものは不純物が取り除かれ、漂白処理されているため白色をしています。精製されていないものは黄色っぽい色をしており、ミツロウ本来の香りと有効成分が残っています。
その他、ミツバチの恩恵についてはこちら → ミツバチの恩恵 ローヤルゼリーについて
まとめ
ミツロウについてまとめてみました。
ハチミツだけでなく、残った巣までもが古代から重宝がられ、必要とされていたということがわかりますね。そんなすごいものを自分の体で作るミツバチ、私たち人間には欠かすことのできない、神秘的で驚異的な存在であることを改めて実感します。